資源循環・イノベーション・プロジェクト
SDGs(持続可能な開発目標)の達成、これは私たちビジネスを行う事業者の主要な活動として位置づけられ、バリューチェーン全体が与える社会・環境へのインパクトを確認した上で、事業そのものを再構築していくことが求められています。
私たちは今回のプロジェクトにおいて、『資源循環』に資する取り組み「3R:Reduce、Reuse、Recycle」や「サーキュラーエコノミー」に目を向け、各社それぞれの技術・課題認識のもとに『エコテック』と名づけて取り組みます。
水
ここ70年間、世界における水の使用量は近年増え続け約3倍(同年の人口増加も約3倍)となっているが、使用できる水の量は増加していない。将来2025年の予測として、地球上の66%に当たる約30億人が「量」と「質」共に問題を抱えており、52の国では干ばつにも悩まされるという研究報告がある(出所:IWMI)。
本プロジェクトでは、水循環システム全体に対して革新的な技術を投入し、水資源と省エネ両方の課題解決に取り組みたい。
プラスチック
ここ60年間、世界におけるプラスチックの排出量は増え続け、直近の30年間でその量は6倍(2015年時点で、3億トン)。2050年には、海洋中のプラスチック量は魚の量を超え、石油使用料の20%がプラスチック製品で使用されると推計されている(出所:エレン・マッカーサー財団)。
本プロジェクトでは、この課題に対して未だ確立していない「電化製品・工業製品に使用される耐久消費財用プラスチックの資源循環」にフォーカスし取り組みたい。
現状の課題認識
エコテックに関するイノベーティブな取り組みはハードルが高い。もちろん、特許(公開情報)を検索することで、技術要素および出願人から技術の動向は読み取れる。しかしながら、次のような状況がイノベーションを推し進めることができない現状を生んでいる。
大企業は、対象となる市場(ニーズ)に対し、固有の技術(シーズ)を開発し、製品・サービスを提供する。企業間同士の「協業」が必要である(つなぎ合わせればより良い課題解決になる)との認識を持ちながらも、ビジネス上の「競合」となる可能性から、お互いにその手を伸ばすことができないでいる。
ベンチャーや中小企業では、エコテック関連の良い技術やソリューションを保有しながらも、大規模なものは想定せずにビジネス化を模索するために、社会課題の解決につながりにくい。
この規模化を得意とする大企業側はこれまで、自社技術(または固定的な提携先)による課題解決を優先 していたため、優れた技術要素やアイデアを探す活動を行なっておらず(開始したのが最近であるために)、世の中にあるエコテック関連の技術・ソリューション・ビジネスアイデアを把握・コンタクトする術を持ち合わせていない。
また、大学・研究機関では、常に新たな技術要素の研究が行われており、企業側がアクセスできていない ものも多数存在する。
本イベントに期待すること
本イベントでは、これらの課題解決・促進に資する協力者(連携先)と出会いたい。下記に列挙した特定の技術・ソリューション領域の提案が望ましいが、関連する技術要素に知見がある方またはビジネスを展開されている方とのフランクなディスカッション、お互いの新たな気づきを得られる機会にできればと考えています。
ディスカッションしたい対象
ディスカッションしたい技術
ソリューション領域
水循環システムの革新技術
- 浄水処理技術:新たな浄水処理技術(環境負荷の少ない・省エネ)
- 排水処理技術:排水処理(分解・消毒・除去)に関する技術
- 回収技術:排水からのエネルギー・資源の効率的な回収
- 遠隔監視技術:遠隔での検知・監視(BOD・CODcr・n-Hex等)技術
耐久消費財におけるプラスチック利用のあり方
- Recycle/Reuse:混合プラスチックの再生技術・ソリューション
- Reduce:プラスチック使用量の削減技術、または代替素材
コーティング技術(防汚性素材)の活用による、省メンテナンス性・品質信頼性の向上
水処理の効率化や廃棄物の削減に繋がるアイデア提案、その他のビジネスアイデア、生産パートナーの募集
連携方法
資本提携・資本提供(出資)
技術・ビジネスアイデアの移転(購入)
共同研究・開発(資金・他リソースの提供)
委託研究・開発(費用支出)
ニーズ提供協力企業
大阪ガス株式会社
株式会社クボタ
ダイキン工業株式会社
三菱電機株式会社